10年前のエアコンと今のエアコンは電気代が違う?買い替えで本当に安くなるのか比較

「エアコンも10年以上使っているし、そろそろ買い替えた方がいいかな?」
そう考えたとき、気になるのが電気代ではないでしょうか。
家電量販店などでは「最新エアコンは省エネ」と紹介されることも多いため、
10年前のエアコンから最新機種へ交換すれば、電気代もかなり安くなるのでは?
と思っている人も多いはずです。
ところが、エアコンを長年扱ってきた立場から見ると、必ずしもそうとは言い切れません。
実際に同じクラスのエアコンを比較すると、10年前から省エネ性能がほとんど変わっていない機種もあります。
この記事では、10年前のエアコンと現在のエアコンを比較しながら、
- 本当に電気代は安くなるのか
- 10年以上使っているなら買い替えるべきなのか
- 2026年に買い替えるメリットはあるのか
を分かりやすく解説します。
10年前のエアコンから買い替えると電気代は安くなる?
結論から言うと、
「10年前のエアコンから最新エアコンへ交換すれば、必ず大幅に電気代が安くなる」とは限りません。
ここは意外に思われるかもしれません。
もちろん、すべてのエアコンが同じではありません。
メーカーやシリーズ、能力によって省エネ性能は違いますし、上位モデルでは10年前より性能が向上している商品もあります。
ただし、価格を抑えたスタンダードモデルでは、10年前と現在で省エネ性能が大きく変わっていないケースがあります。
実際の商品で比較してみましょう。
ダイキンEシリーズで10年前と現在を比較

| 比較項目 | 約10年前 2015年モデル | 近年モデル 2025年モデル |
|---|---|---|
| シリーズ | ダイキン Eシリーズ | ダイキン Eシリーズ |
| 畳数 | 6畳用 | 6畳用 |
| 年間消費電力量 | 717kWh | 717kWh |
| APF | 5.8 | 5.8 |
| 省エネ性能 | ほぼ同等 | ほぼ同等 |
同じ6畳用のスタンダードモデルで比較すると、 約10年経っていても年間消費電力量とAPFはほぼ変わっていません。
比較しやすいのが、ダイキンのスタンダードモデル「Eシリーズ」です。
Eシリーズは、自動お掃除などの高機能を省いたシンプルなエアコンで、賃貸住宅や一般住宅でも非常によく使われています。
6畳用クラスを比較すると、10年前のモデルと近年のモデルでは、APF(通年エネルギー消費効率)に大きな差がないものがあります。
APFとは、簡単に言えばエアコンの省エネ性能を表す数字です。
数字が大きいほど省エネ性能が高いと考えてください。
つまり、
「10年も経っているんだから、最新機種なら圧倒的に電気代が安いはず」
というイメージとは少し違うわけです。
なぜ10年経っても省エネ性能があまり変わらないの?
「家電は毎年進化しているのに、なぜ?」
と思いますよね。
エアコンももちろん進化しています。
ただ、その進化がすべて「年間消費電力量を大幅に減らすこと」に使われているわけではありません。
近年のエアコンでは、
- スマホ操作
- 内部クリーン
- フィルター自動お掃除
- AIによる温度・湿度制御
- 気流制御
- 換気機能
など、快適性や清潔性、操作性に関する機能も大きく進化しています。

そのため、
「10年前より便利になった」=「電気代が劇的に安くなった」
ではないんですね。
特にシンプルなスタンダードモデルは、もともと余計な機能を搭載していないため、現在でも基本的な性能が大きく変わっていない商品があります。
上位モデルなら省エネ性能は違う
一方で、省エネ性能を重視するなら話は変わります。
各メーカーの上位モデルでは、大型の熱交換器や高性能なコンプレッサーなどを採用し、スタンダードモデルより高い省エネ性能を実現している商品があります。
そのため、
「とにかく本体価格を安くしたい」
という人と、
「購入価格が高くなっても、長期間使うことを考えて省エネ性能を重視したい」
という人では、選ぶべきエアコンが違います。
省エネ性能を重視するなら、スタンダードモデルだけでなく上位モデルも比較してみてください。
ここで大切なのは、
本体価格だけでなく、購入価格+電気代を含めて考えることです。
ただし、使用時間が短い部屋で高額な省エネモデルを購入しても、電気代の差だけで本体価格差を回収できるとは限りません。
寝室や子ども部屋なのか、長時間使用するLDKなのかによっても考え方は変わります。
ここだけは読んでほしい
「10年前のエアコンだから電気代が高い」とは限りません。
正常に動いているなら、電気代だけを理由に買い替える必要はありません。 ただし10年以上使用している場合は、 故障リスクと2027年度からの省エネ基準変更 まで含めて買い替え時期を考えることが大切です。
じゃあ10年以上使っていても買い替えなくていい?
電気代だけを考えるなら、
現在問題なく動いているエアコンを「10年経ったから」という理由だけで急いで交換する必要はない
と私は考えています。
ただし、10年以上使用しているエアコンなら、電気代とは別の問題があります。
それが故障リスクです。
エアコンは、
「最近ちょっと調子が悪いから、来月交換しよう」
と計画的に交換できるとは限りません。
真夏に突然冷えなくなることもあります。

そして一番困るのが、猛暑の時期です。
エアコン工事が集中すると、商品はあっても工事まで数日~数週間待たなければならないケースがあります。
10年以上使用していて、
- 冷え方が以前より弱い
- 異音がする
- 水漏れしたことがある
- エラーが出る
- 室外機の音が大きくなった
- 修理歴がある
といった症状があるなら、壊れるまで使い切るより、余裕のある時期に買い替える方が安心です。
そして2026年は少し特殊な年です
ここが今回、この記事を読んでいる人に一番知っておいてほしいところです。
家庭用エアコンは、2027年度から新しい省エネ基準へ移行します。
特に一般的な壁掛けエアコンでは、これまでより高い省エネ性能が求められるようになります。
たとえば6畳用など冷房能力2.8kW以下の一般地向け壁掛けエアコンでは、2027年度基準の目標値はAPF6.6です。
現在販売されている低価格なスタンダードモデルの中には、この水準に届いていない商品もあります。
ただし、
「2027年になったら基準を満たさないエアコンがすべて販売禁止になる」わけではありません。
新しい制度は、メーカーが出荷する製品全体で省エネ基準を達成していく仕組みです。
とはいえ、メーカー側がラインナップを見直したり、省エネ性能を上げるために商品の仕様を変更したりする可能性はあります。
省エネ性能が上がれば、当然ながら部品や設計にもコストがかかります。
そのため今後は、
「とにかく安く買えるシンプルなエアコン」の選択肢が今までと同じように残るとは限りません。
これが、いわゆる「エアコン2027年問題」です。

2027年からエアコンはどう変わる?
「安いエアコンはなくなるの?」「2026年に買った方がいい?」 という疑問は、こちらの記事で詳しく解説しています。
詳しい内容については別の記事で解説していますので、これからエアコンを購入する予定がある方は、ぜひ一度確認してみてください。
2027年度基準のエアコンなら電気代は安くなる?
ここは少し面白いところです。
新しい2027年度基準では、6畳用など2.8kW以下の一般地向けエアコンでAPF6.6が目標となっています。
従来基準のAPF5.8と比較すると、省エネ性能は確実に高くなります。
| 比較 | 従来基準 | 2027年度基準 |
|---|---|---|
| 6畳用クラス | APF 5.8程度 | APF 6.6 |
| 省エネ性能 | 現在の一般的な水準 | より高効率 |
| 年間光熱費 | 基準 | 約2,760円安くなる試算 |
| 本体価格 | 比較的安いモデルも多い | 高くなる可能性あり |
つまり今後は、 「省エネだからお得」と本体価格だけを見ず、購入価格と電気代をセットで比較すること が重要になります。
資源エネルギー庁の試算では、6畳用エアコンの場合、2027年度基準を満たした製品は従来基準の製品と比べて、年間の光熱費が約2,760円安くなるとされています。
14畳向けでは、その差はさらに大きくなります。
つまり、
10年前→現在のスタンダードモデルでは大きな差がなかった省エネ性能が、2027年度基準への移行によって再び大きく動こうとしている
とも言えます。
ただし、省エネ性能が高くなっても、本体価格が大幅に高くなれば話は別です。
たとえば年間3,000円電気代が安くなっても、本体価格が5万円高くなれば、電気代だけで価格差を回収するにはかなりの年月が必要です。
だからこそ今後のエアコン選びでは、
「本体価格」と「電気代」の両方を見ることが今まで以上に重要になります。
10年前のエアコンを使っている人はどうすればいい?

最後に、私ならどう判断するかをまとめておきます。
問題なく動いている
電気代を安くすることだけが目的なら、急いで交換する必要はありません。
まずは現在のエアコンの型番を確認し、年間消費電力量やAPFを現在の商品と比較してみましょう。
思ったほど差がない可能性があります。
少し調子が悪い
10年以上使用していて不具合の兆候があるなら、買い替えを検討してもいい時期です。
特に真夏まで待つのはおすすめしません。
商品と工事業者の選択肢が多い時期に交換する方が、落ち着いて選べます。
近いうちに買い替える予定
これは2026年なら少し悩むところです。
2027年度基準の商品を待って省エネ性能を重視するのか。
それとも、現在販売されている比較的価格を抑えたモデルから選ぶのか。
どちらが正解とは一概に言えません。
購入価格を重視する人と、長期的な省エネ性能を重視する人では答えが変わるからです。
だからこそ、2026年から2027年にかけてエアコンを購入する人は、今まで以上に「何畳用だからこれ」という選び方ではなく、価格と省エネ性能を比較して選ぶことをおすすめします。
本体価格を抑えたい方は、現在販売されているスタンダードモデルの価格も確認しておきましょう。
まとめ|10年前だから電気代が高いとは限らない
「10年前のエアコン=電気代が高い」
と思われがちですが、実際には同クラスで比較すると、省エネ性能がそれほど変わっていない機種もあります。
そのため、
電気代を安くしたいという理由だけで、正常に動いているエアコンを交換する必要はありません。
ただし、10年以上使用しているなら故障リスクは考えておく必要があります。
そして2026年は、2027年度から始まる新しい省エネ基準を目前にした、エアコン市場の大きな切り替わり時期でもあります。
今使っているエアコンが10年以上経過していて、数年以内には買い替えるつもりだったのであれば、
「壊れるまで待つ」のではなく、2026年モデルと2027年度基準の商品を比較しながら買い替え時期を考える。
これが一番現実的だと思います。
エアコンは、本体価格だけでなく工事費も含めると決して安い買い物ではありません。
「新しい方が省エネだから」というイメージだけで決めず、今使っているエアコンの性能と、これから購入するエアコンの価格・省エネ性能を比較して選んでみてください。










